かに物語と気仙沼、
10年のあゆみ
―東日本大震災からの復興―
震災復興と共に歩んできた〈かに物語〉。
2011年から2021の10年間を、気仙沼のニュースと共に振り返ります。
2011
東日本大震災
市内15事業所被災:被害総額約10億円
私たちの日常を突然襲った東日本大震災。あの被害の中で、スタッフ全員の命が守られたことは何よりの救いでしたが、ナミビアに出ていた船以外、私たちはすべての工場や店舗を失いました。
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2011年6月
気仙沼魚市場にカツオ漁船が震災後初水揚げ
東日本大震災で大きな被害を受け、機能が停止していた宮城県気仙沼市の漁港に28日早朝、鰹巻き網漁船第31大師丸が入港。震災後初めてカツオ約35トンが水揚げされ、魚市場で入札が行われました。町は、地域を象徴する漁港と市場の機能再開に沸きました。
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2011年6月
新規事業として〈かに物語〉スタート
市内には未だ被害の爪痕が深く残る中、私たちは貴重な財産である『Deep Sea Red Crab(まるずわいがに)』と共に、〈かに物語〉ブランドをスタートさせました。
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2011年9月
秋刀魚初水揚げ
24日朝、震災後初めての秋刀魚の水揚げが行われました。秋の味覚の代名詞秋刀魚はカツオと並び気仙沼を代表する魚の一つ。この日市場には約18トンの秋刀魚が水揚げされ、港が活気づきました。
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2011年11月
生鮮鰹水揚げ15年連続日本一
気仙沼港が15年連続で生鮮カツオの水揚げ全国一に輝きました。気仙沼港は市場の地盤沈下や製氷工場の被災により水揚げ自体が危ぶまれましたが、量を減らして6月に開始。大きな災害のあった年にも関わらず、この栄誉を守りきりました。
復興屋台村 気仙沼横丁に
〈かに物語〉オープン
飲食店を中心とした仮設商店街、復興屋台村 気仙沼横丁に、私たちのお店がオープンしました。ここは昭和30年代には屋台が軒を連ねていた場所でもあり、各店古き良き気仙沼の賑わいを目指して頑張っていました。私たちもレストランとして、蟹の剥き身やビスクを提供するという新たな挑戦をここから始めました。
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2011年12月
ウェブサイトオープン
ボランティアなどで気仙沼を訪れてくださる方以外へも、広くDeep Sea Red Crabの美味しさを届けたいという思いから、ウェブサイトを立ち上げました。当時は掲載商品は限られましたが、今のECサイトの原点はここにあります。
2012
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2012年3月
長野県松本市・井上百貨店にて催事出店スタート
記念すべき最初の百貨店催事への出店。震災から1年、ようやく私たちも外へ出る力が湧いてきた頃です。初めての経験に戸惑うことも多々ありましたが、初めて他地域のお客さまと直接お目にかかってお話しする喜びは、何にも代えがたいものでした。
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2012年3月
震災から1年経過
各中学高校では2年ぶりの卒業式が、市内では震災から一年にあたり鎮魂のイベントが開かれました。
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2012年7月
東中才工場稼働
被災を免れた山の中の倉庫を大改造。〈かに物語〉の商品を製造する工場が生まれました。この頃はまだまだ不便の多い環境でしたが、ここから復興の狼煙を上げる気持ちで社員一丸となった経験は、今も私たちの支えとなっています。
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2012年8月
ロンドン五輪 フェンシング男子フルーレ団体 千田健太選手銀メダル。女子フルーレ個人 菅原智恵子選手第7位
8月にロンドンで開催されたオリンピックのフェンシング男子フルーレ団体で、日本は史上初の銀メダルを獲得。この快挙に気仙沼市出身の千田健太選手が大きく貢献しました。
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2012年9月
ロンドンパラリンピック 佐藤真海選手9位入賞
オリンピックに続きロンドンで開催されたパラリンピックで走り幅跳びの佐藤真海選手が自己記録を更新し、4m70cmで9位を記録しました。震災翌年に気仙沼のアスリートが大活躍し、市民に明るいニュースを届けてくれました。
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2012年10月
テレビショッピングデビュー
震災以来、さまざまな支援をしてくださっていたショップチャンネルさまに、〈かに物語〉の商品を番組で紹介していただきました。その結果、なんと3000セット準備した商品がわずか10分で完売。テレビショッピングの力を初めて体感した出来事でした。
2013
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2013年2月
新ウェブサイトオープン
企画チーム内でイメージを持ち寄り、現在のブランドイメージやロゴが完成しました。同時にウェブサイトもリニューアル。よりショッピングしやすいサイトへと成長しました。
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2013年7月
佐藤真海さん、五輪招致に貢献
2020年の第32回夏季オリンピック・パラリンピック大会の開催都市に決まった東京。アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会での最終プレゼンテーションで、気仙沼出身の佐藤真海さんがトップバッターとして登壇、感動的なスピーチで東京開催を手繰り寄せました。
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2013年9月
共徳丸解体
東日本大震災の津波で気仙沼市の市街地に打ち上げられた漁船「第18共徳丸」(330トン)の解体作業が始まりました。第18共徳丸は全長60メートル、総トン数は330トン。東日本大震災の津波によって、港から750メートルも離れた市街地まで運ばれたのです。
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2013年10月
まるずわいがに、気仙沼の地域資源に選定
Deep Sea Red Crab(まるずわいがに)が、気仙沼の地域資源に選定されました。私たちの技術開発への努力が実り、新鮮で美味しいDeep Sea Red Crabを気仙沼からお届けできることが広く認められた、嬉しい出来事のひとつでした。
2014
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2014年3月
「アル・ケッチァーノ」奥田シェフとのコラボスタート
気仙沼横丁オープンにあたり、開発勉強会を開いてくださった「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが、かつてアメリカ東海岸で出会って以来お気に入りの食材だったDeep Sea Red Crabに気仙沼で再会したことを機に、〈かに物語〉とのコラボレーションがスタート。奥田シェフは「気仙沼かに物語大使」として広くDeep Sea Red Crabをご紹介くださっています。
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2014年7月
ホヤ漁復活
震災時の津波により壊滅的被害を受けたホヤ漁が、約3年ぶりに復活しました。
〈かに物語〉海の市店オープン
震災の影響による長期間の休業を経て、全面再開した気仙沼の代表的な観光物産施設「海の市」に、〈かに物語〉も店を構えました。店内は自社製品に加え、三陸の美味しいものをたくさん取り揃えています。
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2014年7月
天皇皇后両陛下、気仙沼をご視察
東日本大震災からの復興状況等のご視察のため、 天皇皇后両陛下が気仙沼市をご訪問されました。両陛下は担当者から説明を聞きながらカツオが水揚げされる様子をご覧になり、「ここもかさ上げされたわけですね」「水や電気はいつごろ戻りましたか」などと質問されました。
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2014年10月
「フュメ・ド・クラブ」商標登録
〈かに物語〉のスープやカレーなどのベースとなっている出汁「フュメ・ド・クラブ」が、〈かに物語〉として初めて商標登録認定されました。
2015
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2015年9月
ラグビーワールドカップで日本代表が南アフリカを撃破。
「スポーツ史上最大の番狂わせ」と呼ばれる歴史的逆転勝利に、気仙沼市出身の畠山健介選手が貢献しました。
2016
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2016年1月
気仙沼魚市場、7年ぶり東北第一位に
2015年度の全国主要23港の水揚げ金額で、気仙沼港が7年ぶりに東北1位に返り咲きました。2015年度の水揚げは76,840t・212億6780万円、魚価高で震災後初の200億円突破となりました。初せりで賑わう魚市場に新年早々嬉しいニュースが飛び込み、市場は喜びと共に新たな年の航海の安全と大漁を願う関係者で沸きました。
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2016年11月
「調味料選手権」最優秀賞獲得
日本全国の調味料が集結する「調味料選手権2016―伝統調味料部門」にて、干し蟹が最優秀賞を獲得し「旨みの塊!」との高い評価を得ました。
2017
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2017年3月
新社屋完成
震災後、仮の事務所や工場に分散していた本社と工場機能がひとつの社屋に集約されました。ようやく自分たちのオフィスができたのです。みんなの気持ちがひとつになり、改めてみんなでここから未来へ進むのだという思いを新たにしました。
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2017年7月
FMラヂオ気仙沼開局
東日本大震災による臨時災害放送局として開局した「けせんぬまさいがいエフエム」が閉局し、FM「ラヂオ気仙沼」として新たなスタートを切りました。海の街、気仙沼らしい「ぎょっとエフエム」という愛称で親しまれています。
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2017年10月
気仙沼市立病院が完成
老朽化のため移転・新築工事が行われていた気仙沼市立病院が完成し、落成式が行われました。この気仙沼市立病院は、震災の教訓を生かし、建物を免震構造とし、災害時の救急医療に対応できるよう、新たにヘリポートを設置。さらに水や重油の備蓄を拡充するなど、災害救急医療の機能充実を図りました。また、利用者の利便性を図る為、気仙沼線BRTの気仙沼駅~松岩駅間に「気仙沼市立病院駅」が新設されました。
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2017年11月
「南町紫神社商店街」と「魚町内湾商店会」がグランドオープン
震災から仮設店舗で営業を続けていた「気仙沼復興商店街」が、新たに「南町紫神社前商店街」として本設移転、震災から6年8ヶ月の月命日の日 2017.11.11に、先に営業を再開していた「魚町内湾商店会」と共にグランドオープンを果たしました。多くの市民が待ち望んでいた、震災で壊滅的な被害を受けた内湾地区の商店街復活でした。
2018
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2018年
メディアへの掲載
この頃からメディアへの掲載が増えました。この年は、「日経トレンディ」ふるさと納税ランキングの上位にランクイン。また雑誌「MONOQULO」の「本当に美味しいお取り寄せ海産物部門」で蟹の肩脚肉が1位を獲得しました。
2019
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2019年4月
「気仙沼大島大橋」開通
気仙沼大島と本土をつなぐ期待の橋、「気仙沼大島大橋(鶴亀大橋)」が開通。東北初の離島架橋となる気仙沼大島大橋は島民の利便性向上や島内観光の振興に加え、非常時の緊急輸送路としての役割が期待されます。東日本大震災からの復興の象徴に位置付けられ、地元の悲願が半世紀を経て実現した形です。
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2019年8月
第68回みなと祭り開催
航海の安全と大漁を祈願する気仙沼地方最大級の夏祭り「気仙沼みなとまつり」。震災後規模を縮小し開催されてきましたが、この年は76,000人という、震災後いちばんの人出となりました。陸では、約600基の和太鼓を一斉に演奏する「打ちばやし大競演」、海では「海上うんづら」の上での太鼓演奏、そして空に約2,400発の「海上打ち上げ花火」で、気仙沼の港が勇壮な太鼓の響きと花火の光で包まれました。
2020
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2020年7月
商業施設「ないわん」グランドオープン
気仙沼市内湾地区に整備された商業観光施設「ないわん」がオープンしました。テラスからは、遊覧船の発着や気仙沼湾が一望でき、施設には、イタリアンレストランや和食店、カフェなども入っているほか、音楽スタジオや地元ラジオ局などもあり、まち歩きや買い物が楽しめる、内湾地区の新たなシンボルとなる拠点となっています。
2021
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2021年1月
「料理王国100選」食の逸品コンクール入賞
歴史ある品評会で、生鮮食品部門で肩脚肉が、加工品部門でビスクと干し蟹が入選。素材の確かな味と加工技術が高い評価を得ました。
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2020年3月
三陸道県内全区間が開通
三陸沿岸道路の気仙沼港ICから、浦島大島ICをつなぐ「気仙沼湾横断橋」が2021年3月6日に開通しました。本開通により、宮城県内で「復興道路」として整備が進められていた延長約126kmが全区間開通。宮城県仙台市と岩手県宮古市が高速道路で直結、物流の効率化や交流圏の拡大、救急医療体制の強化などが期待されています。また気仙沼湾横断橋には公募により「かなえおおはし」という愛称がつけられました。
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2021年5月
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』気仙沼を舞台に放送開始
気仙沼市・登米市が舞台の連続テレビ小説『おかえりモネ』の放送が5月17日にスタート。海の町・気仙沼の自然豊かな島で生まれ育ち、森の町・登米で青春を送るヒロインが、やがて気象予報士を目指し、人々に幸せな未来を届けていく姿が色彩豊かに描かれています。気仙沼・登米の美しい景色、その清々しい空気感がドラマの随所に登場しますが、特に放映終盤の気仙沼編では市内の風景が多く映り、震災を経て葛藤しながら前に進む人々の心理が丁寧に描かれ、ストーリーに大きくかかわってきます。
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2021年9月
新ECサイトオープン
市場のデジタル化の流れに合わせ、私たちもECサイトの大幅なリニューアルを行いました。これからも皆さまがより使いやすく、お買い物しやすいサイトづくりを目指してまいります。
みなさまへの感謝を胸に、新たなみらいに向けて。